壬生狂言
みなさん、壬生狂言をご存知ですか?
大念仏狂言(だいねんぶつきょうげん)ともいい、京都の壬生寺で年3回行われる狂言ですが、
普通の狂言とはちょっと違い、無言劇なんです。
私も狂言についてもあまり知識がない上に、無言って・・・??という感じでしたが
実際拝見して本当に感動しました。
どのようなものかと言いますと、
お面ををつけた演者が、鉦・太鼓・笛の囃子の一定のリズムに合わせ踊り、そして無言で演じます。
勧善懲悪などの教訓を伝える話や、本能寺、平家物語など一般的にわかりやすい内容もあり、
なおかつ歴史あるお面や衣裳をつけての舞台ですから、荘厳なものでした。
創始は鎌倉時代の1300年、融通念仏宗の円覚上人によるものと言われています。
仏教を民衆にわかりやすく説くために、
大げさな身ぶり手ぶりで表現する無言劇の形態が採用されたそうです。
本来、大衆が念仏をする前で行なわれたものであったために、
台詞を発しても念仏の声にかき消されて伝わらないので無言になったとする説もありますが・・。
江戸時代になると、大衆娯楽の色が濃くなり、
能や狂言、物語に取材し、新しい演目が考案されました。
演じているのは「壬生大念仏講」の人たちで、地元に居住する方たちで構成されています。
みなさん本職は別にあって、自営業、会社員の方たちだそうですが、
本職といって過言ではない腕前です。
拝見した演目「土蜘蛛」は、狭い舞台の中で、激しい立ち回りがありまして
お面をつけてますから、視野もかなり狭いはずですが、
本当に息のあった演技で、すばらしいものでした。
基本的に伝統的なものに弱い私ですが、
今回の狂言は、その空間にいるだけで、時代をさかのぼって
その当時の雰囲気を味わえた気がします。
当日は突風と雨で、なかなか大変でしたが、それもご愛嬌!
歴史ある文化に触れて、有意義な一日でした。
秋にも開かれますから、是非一度ご鑑賞されてはいかがでしょうか?
写真撮影は禁止なので、お借りした写真です↓